<やらせ受験>大阪産業大側に賠償命令 大阪地裁

<やらせ受験>大阪産業大側に賠償命令 大阪地裁
毎日新聞 2017/7/31(月) 20:13配信

 大阪産業大(大阪府大東市)の「やらせ受験」問題で不正を告発した付属高の元教頭(58)が、事実と異なる内容を大学側に公表されて名誉を傷つけられたとして、学校法人と元理事長に計2200万円の損害賠償を求めた訴訟で、大阪地裁は31日、やらせ受験が組織ぐるみだったことを認め、法人に220万円、元理事長に55万円の支払いを命じた。

 比嘉一美裁判長は「不正行為は組織的に実行されたと認められる」と述べた。

 判決によると、2009年度の経営学部の入試で、元教頭は入学意思のない生徒9人に、謝礼を支払って受験させた。不正行為が13年3月に報道されると、法人側は元教頭について「独断でやった可能性が高い」などと発表した。

 比嘉裁判長は、名誉毀損(きそん)を認定する一方、法人側が14年12月の最終報告書で「組織的な関与がなかったとは言い難い」と公表した点に触れ、「一定程度、名誉は回復している」とした。

 法人側は「判決文を精査して今後の対応を検討したい」としている。【遠藤浩二】

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